クルマに対しての憧れについて

クルマに対する憧憬は今も変らなく

「春の海はとても静かです」という大きなキャッチコピーの下に、「スカイラインで行く」と小さな文字が入っていました。
ずいぶん昔に見た新聞一面を使った日産の広告です。

 

背景には砂浜の波打ち際に停められたスカイラインと、車の横で裸足のカップルが海を見ている写真が使われていました。
この広告を見て感じるところはそれぞれだと思いますが、私はとにかく、免許が欲しい!車が欲しい!そして、一緒にドライブをする彼女が欲しい!と痛切に思いました。

 

日産はこのとき、スカイラインという車を宣伝したかったというより、クルマそのものに対する憧憬あるいは車の多様な使い方のようなものを、見込みユーザーに植え付け、知らしめたかったのではないかと思います。
少なくとも私を突き動かすには十分すぎるほどインパクトのある広告でした。

 

当時大学生であった私はすぐさまバイトを開始し、免許を取得し、クルマを手に入れました。
ただ、私が選んだクルマは日産のスカイラインではありませんでしたが。

 

そしてある日、ドライブで湘南を目指しました。
残念ながら助手席には彼女ではなく、神奈川に住んでいた高校時代の友達が座りましたが、第三京浜に入った頃雲行きが怪しくなると、友達は天気のいい日に改めて付き合うよといって車を降りました。

 

海岸線を走る頃には土砂降りの雨になり、海はよく見えませんでした。
波打ち際に車を近づけることも出来ませんでした。

 

しかし、海の近くに車を停め、カーラジオを聞きながら過ごした時間はいわく言いがたいものでした。
雨で海がよく見えなくても、海を感じることは出来たからです。

 

雨でさえクルマの中には快適な居住性がありました。
波打ち際には降りられなくても、海を感じられる場所に快適な居住性を持ち込める車は、なんと素晴らしい乗り物なのだと思いました。

 

それからいろいろなクルマに乗りましたが、クルマに対する憧憬は今も変らなくあります。